こんにちは。日々Salesforceの活用に色々と悩まれている方も多いと思います。そこで、Mashmatrix社の「Sheet」を利用したら、様々な課題がスパッと解決できますよと以前ブログを書かせていただきましたが、いかがでしたでしょうか。
更にそれから日がたち、「Sheet」は、かなり機能がアップしております。個人的にも切望していた機能が今回は満載。ただ機能が多すぎるので、2回にわたって、ブログを書かせていただく事となりました。今回はその2回目。前回のブログと共に、是非ご覧いただき、更なる活用に利用していただければ幸いです。
■関連項目の一括編集
以前もここのブログで、取引先が移転した際に、取引先責任者の住所を効率よく変更をかける方法をご説明しました。効率よくとは書いていましたが、シート作成時に選択するオブジェクトは編集対象となりますが、その関連オブジェクトの項目は閲覧できるだけであり、残念ながら編集が出来ませんでした。それが今回のバージョンアップで、なんと両方の編集が出来るようになりました。
文章で書くとわかりにくいですが、具体的にはどういうことでしょうか。下の図を確認ください。
これは、取引先と取引先責任者を取引先責任者別に一列で表示したものです。向かって左が取引先責任者での住所データ。右側が取引先の住所データ。セールスフォースでは、それぞれのオブジェクトで住所データを保持することが出来ます。名刺をいただき、登録をすると、住所データとしては同じものですが、それぞれで登録が出来ます。これは、取引先は本社で登録し、取引先責任者は違う場所で勤務しているとかの際に意味が出てきます。
ここからが本題です。事務所を移転しますと、お客様から聞きつけた時、若しくは新たな名刺をいただいた時どうされますでしょうか。セールスフォースの標準でしたら、それぞれの取引先や、取引先責任者を一つずつ表示し、変更していく形ですね。100人もメンバーがいれば、気が遠くなってしまいますよね。では、Sheetならばどうでしょうか。上のような表示の際に、今までですと、取引先責任者を一つ変更します。それを他のメンバーにもコピー&ペースト。そして保存をすれば、変更がかかります。しかし、取引先だけはこの画面では見ることは出来ますが、編集は出来ませんでした。
そう、今までは親側のオブジェクトは見るだけでした。今回はそれも同時に編集できるようになりました。新機能を有効化することによって。
右側の取引先の住所が表示されているタブの下▼から、設定を押すと、列の設定変更が表示されます。上部タブのオプションを選択すると、「セルを編集可能にする」という項目が表示され、それをクリックし保存。そうすると、今まで表示は出来たけど、編集が出来なかった親オブジェクトも編集が可能となります。
尚、この機能は既存の作成済みのブックでは変更が出来ません。その場合は、対象の列を削除し、再度追加してください。その上で上記の「セルを編集可能にする」をオンにすると、編集可能となります。
また、何重にもつらなるオブジェクトに関しては、親オブジェクトまでしかさかのぼって変更が出来ません。例えば、商品、商談、取引先と言った親子孫の三段階のオブジェクトの場合は、商品から取引先を表示することは可能ですが、残念ながらこの場合編集は出来ません。勿論、商談は編集可能となります。
またこれらの唯一の難点は、編集可能にする設定は、列単位と言う点。複数の項目があれば、全てにおいて一つ一つの設定変更が必要なのには、ご注意を。とは言え、編集が可能になることにより、こちらも生産性がぐっと上がります。
■フィルタ機能のアップ
フィルタ機能に関しても、色々と機能アップが図られています。例えば、フィルタって、絞り込み設定をする上で非常に有難い機能ですが、その絞り込みを外すにはフィルタ設定を解除する必要がありました。フィルタを設定すると項目名の横にフィルターアイコンが表示されるのですが、これをクリックするとフィルタが外れます。ただそれと同時に今まではフィルタ設定も無くなってしまいました。
いやいや、一時的にフィルタを外したいだけなのに、細かな設定も消え去ってしまいました。それが今はフィルターアイコンをクリックすると、白抜きのアイコンに切り替わります。設定は残ったまま、一旦フィルタ機能の無効化をすることが可能になりました。細かな機能ですが、地味にうれしい機能アップです。
また、当初より複数の項目にフィルタがかけられるのですが、AND条件のみ、つまり「かつ」の条件のみの設定でした。これをいずれかの条件を満たす(OR条件)でもフィルタを掛けられるようになりました。
例えば、取引先に当期の売上実績や取引先のタイプを設定されていたりすることもあると思います。過去の取引先とかで当期の売上がないものも一覧リストで表示したい場合に今回のOR条件の意味が出てきます。
今期の売上実績があるものか、取引先タイプが「過去支援先」(つまり、今期は売上が無いもの)を表示するというようなことが出来るようになりました。
では、どうすればそれができるでしょうか。まずはフィルタを各項目ごとに設定します。とは言え、このままではAND条件ですので、表示が無い場合もあり得ます。その上で、対象のシートのタブから下▼をクリックし、設定を選択。そうすると、「シートの設定変更」と言う画面が立ち上がりますので、タブのフィルタを選択。更にそうすると、適用されている「フィルタの一覧」と言うことで、2つの項目にフィルタが見て取れます。それをグルーピングしていきます。
どちらでもいいので、フィルタの右端の下▼をクリックするとメニューが表示されます。その中から、「新しいグループ」を選択すると、グループ#1の中にそのフィルタが取り込まれます。ではもう一方のフィルタの右端の下▼をクリック。先程とは少し違うメニューが表示されます。その中から「グループに追加」の「グループ#1」を選択。そうしますと、グループ#1の中に2つのフィルタが取り込まれます。グループ#1の横を見ると(以下のいずれかを満たす)と表示されていますね。はい、これで2つのフィルタがOR条件で結ばれました。保存ボタンを押して設定完了。
表示を見てみますと、いかがでしょうか。取引対象が「過去支援先」か、今期受注商談が1円以上の物が表示されているものと思われます。また項目の横に付いているフィルタアイコンには1の文字が。はい、先程設定したグループ#1に含まれていますよと言うのが、ここでも確認が出来ます。
いかがでしょうか。これでOR条件でもリストを絞り込むことが出来るようになりました。
■ビュー切替
更に、表示の仕方については、もう一つ機能アップがあります。ビュー切替と言う機能が新たに実装されました。こちらは、セールスフォースのビューとも近い感じがあります。
これは、フィルタを条件設定した後、幾つかの条件を変更したのも表示したい場合があると思われます。今まででしたら、シートをコピーし、フィルタの設定を変更する形で、シートタブがドンドンと横に増えてくる形だったと思います。これらの条件をビューとして保存しておき、それを切り替えることにより表示を切り替えることが出来るようになりました。
では、実際に設定方法を確認してみましょう。今回は先程利用していたシートを使ってみます。取引先のシートタブから下▼をクリックし、設定からシートの設定変更ウィンドゥを立ち上げ、その上でオプションのタブをクリック。最下段にビューと言うのがあり、そこで「ビューによる切り替えを有効にする」にチェックを入れてください。そうすると上部にビューと言うツールバーが新たに表示されたと思われます。
はい、続きまして、今のビューをまず登録します。ビューのツールバーの右端の下▼を押すとメニューが表示されます。こごて、まず「新しいビューとして保存」を押し、ビュー名を登録します。今回は「基本」とでもして登録します。
そうしますと、ビューの所に「基本」と表示されます。では、フィルタ等の絞り込み条件を少し変更してみましょう。何か変化に気づきましたか?そうなんですよ、ビューとして表示してから、フィルタ等設定を変更をするとビュー名の所に「(変更済み)」と自動で表示が変わるんですよね。手軽に変更が出来る分、変えているのか、変えているのかこういった細かなポイントが有難いですね。では、先程と同様にツールバーの右端の下▼を押してみましょう。前回と違い、メニューが全て表示されるようになっています。今回も前回と同様に「新しいビューとして保存」とすると、ビュー名を聞いてくるので、登録してください。そうしますと、新たなビュー名として登録されます。今回は「基本(ランクSABのみ)」としました。ビュー名の所をクリックすると複数のビューがあることが確認できます。
またこれらのビューは公開ビュー(誰もが確認できるもの)とプライベートビュー(自分のみが確認できるもの)の2タイプがあります。管理者ユーザーはどちらも使い分けられますが、一般ユーザには、ブックの所有者がブックの設定変更を行ない、「プライベートビューの作成を許可する」にチェックを入れていないとプライぺートビューにできない点はご注意を。
いかがでしたでしょうか。2回に渡って「Sheet」の機能アップのお話を書かせていただきました。私個人も日々「Sheet」を活用していますが、今回は非常に有難い機能が満載でした。是非、ご確認していただき、日々のSalesforceライフの活用のヒントにつながれば幸いです。
【執筆者】
Mashmatrix Sheet 導入・活用支援パートナー
株式会社ギミックプロジェクト 山口 純平
ハウスメーカーにて商品企画、経営コンサルティング会社にて経営・営業支援、設計事務所にて営業マネージャー、新事業企画責任者を経て、クラウドコンピューティングの定着支援を専門に行なう株式会社ギミックプロジェクトを2013年に設立。エンドユーザーとしてクラウドを活用していた身として、その時と変わらないユーザー目線で様々な活用方法のご支援を行なう。