AI時代、Salesforceでの仕事はどう変わる?
5人が語るDreamforce 2026【後編】

2026.10.14公開

Dreamforce 2026では、AIを既存業務へ追加するだけでなく、人間とAIエージェントが協働することを前提とした働き方が示されました。

レポート後編では、こうした変化が実際の仕事にどのような影響を与えるのか、そして日本のSalesforceユーザーに注目してほしいことを5人に聞きました。

※ Dreamforce 2026参加レポート【前編】はこちら

サポートは「誰が操作したか」から「AIがどう判断したか」へ

— AIエージェントが業務に入ると、皆さんの仕事はどう変わりそうですか?

高橋:Salesforceが、「人が画面を操作するシステム」から、「AIエージェントが直接業務を実行する基盤」へ変わりつつあると感じました。

これまでのサポートでは、どのユーザーが、どの画面で何をクリックしたかを追うことで、問題を切り分けるケースが多くありました。

今後は、それだけでは原因を特定できないかもしれません。どのエージェントが動き、どのスキルを呼び出し、どのような判断を経て、最終的に何を更新したのかまで確認する必要があります。

サポートに求められる知識も、画面操作や設定だけでなく、エージェントの実行経路、権限、参照データ、判断根拠にまで広がっていくと思います。

AIとのやり取りが、チームの共有知になる

中川:開発部の視点では、「Slack Code」が開発の進め方を大きく変える可能性があると考えています。

これまで各開発者の手元に閉じていたAIとのやり取りがパブリックになれば、個人の知見やノウハウをチームで共有できます。車輪の再発明(すでに同じ問題を別々のメンバーが解決しているとは知らずに、再び一から解決すること)が減り、チーム全体の生産性向上につながるかもしれません。

将来的には非開発者も開発業務に関わりやすくなり、部門の垣根を越えた仕事も増えていくのではないでしょうか。

小原:Salesforce社内の「RIS(Rapid Innovation Squad)」は、自社に取り入れられる可能性があると感じました。

明確な業務課題を選び、その課題の業務プロセスに詳しい部門の責任者と少人数のIT開発者が、Slackなどで日々議論する。その会話をAIコーディングツールに渡し、短期間でプロトタイプを現場へ投入します。そして、利用データとフィードバックをもとに改善していく方法です。

従来の長い開発工程を短縮し、業務部門の責任者、IT開発者、AIが一緒に高速で作る。AIによる実装をうまく組み込めれば、私たちの現場でもRISを実現できるのではないかと思います。

Salesforceの未来と、お客様の現在地をつなぐ

寺田:Salesforceがどこへ向かっているのかを知ることによって、Mashmatrix Sheetを導入いただくお客様に、どのような変化が起こるのかを考えることが重要だと感じました。

Salesforceの先進的な発表を見ても、日本のユーザーの中には「それより、今困っている部分を改善してほしい」と感じる方も少なくないと思います。

現地でDreamforceに参加して、最先端の取り組みと実際の業務にギャップを感じましたが、一方で、新しい情報をいち早く取り入れ、変化に順応していく方々も多くいらっしゃることに気づかされました。

お客様の身近な課題に向き合いながら、プラットフォームの未来も理解する。そして、それぞれのお客様がSalesforceのロードマップ上のどこにいるのかを考えながら、解決策を提案する必要があると思いました。

東:「SaaS is Dead」という言葉が一人歩きしていることも気になっています。

Dreamforceでは、Salesforce自身がAIを取り入れながら、顧客のビジネスを支えるプラットフォーム(エコシステム)を拡張しようとする姿勢を感じました。

Salesforceは費用がかかるという声もありますが、コストだけを見て、シンプルなCRMで十分だと判断するには慎重になるべきです。今後の拡張性まで含めて考えれば、Salesforceへの支出は将来に向けた投資とも捉えられるからです。

日本のSalesforceユーザーに注目してほしいこと

— 最後に、日本のSalesforceユーザーへ伝えたいことを教えてください。

高橋:PoC(概念実証)を行うこと自体をゴールにしないことです。

今後は「Agentforceで何ができるか」を試す段階から、「どの業務に組み込み、どう運用し、どう成果を測るか」を設計する段階へ進みます。本番で継続して使われ、売上向上やコスト削減などの成果につながるところまで見据える必要があります。

東:Dreamforceに参加したことで、Salesforceのエコシステムの大きさを改めて実感しました。日本では一次情報が伝わりにくく、Salesforceの価値が十分に届いていない場面もあります。ですので、国内の情報だけでなく、Dreamforceのような海外の関連情報にも注目してみていただきたいと思います。

寺田:Salesforceが進もうとしている道を知り、まず飛び込んでみることが大切だと思います。

新機能やAIの概念をキャッチアップしていくだけでも大変です。正直に言えば、私自身も「日々の業務がどう変わるのか、まだ見えない」と感じる段階にいます。

それでも、Salesforceのエコシステムで仕事をすることは、進化するプラットフォームとともに、自分たちの働き方やビジネスを更新し続ける機会を得ることでもあります。その機会を積極的に活用してほしいです。

ユーザー同士で交流しながら学ぶことが大切

小原:Trailblazerの重要性を感じました。

メインキーノートがTrailblazerの話から始まったことからも、Salesforceのエコシステムを支える重要な存在として位置づけられていることが分かります。

Trailblazer Communityなど、ユーザー同士が交流し質問や意見交換をする機会は数多くあります。エコシステムの一員として、積極的に活用してほしいです。

中川:皆で学び、助け合うコミュニティの存在に、改めて注目してもらいたいですね。

AIforceやSlackforceだけを見ても、発表される情報は膨大です。新しい機能や考え方をすべて一人で追いかけ、「自分たちの業務にどう活かすか」まで考えるのは簡単ではありません。

Dreamforceでは、Community CoveやMVP、Golden Hoodieなどの取り組みを通じて、Salesforceがコミュニティをとても大切にしていることをあらためて感じました。

私自身、Slackコミュニティのリーダーをしており、今回はSlackコミュニティ関連のイベントやセッションを中心に参加しました。世界各地のコミュニティリーダーが一堂に会し、直接交流できたことも貴重な経験でした。

そこで感じたのが、「一緒にやってみる」「ともに学ぶ」ことの大切さです。

分からないことを相談し、実際に試した人の知見やノウハウを共有しながら、一緒に活用方法を考えていく。そうした場をつくることも、これからのコミュニティの大切な役割だと思います。

変化の大きい時代だからこそ、コミュニティを活用しながら、皆で学び、実践していってほしいです。

AIを導入するだけでなく、成果につなげる段階へ

Dreamforce 2026で示されたのは、遠い未来の構想だけではありません。

AIエージェントが業務を実行する時代には、開発方法もサポートに必要な調査力も変わります。企業には、AIを試すだけで終わらせず、実際の業務に定着させ、成果を測りながら改善することが求められます。

急速な変化を一人ですべて追うことは困難です。だからこそ、コミュニティで知識を共有し、自社やお客様の現在地を見極めながら、一歩ずつ実践へ進むことが重要になります。

Dreamforceで示された未来を、日々の仕事へどう落とし込むか。その取り組みは、すでに始まっています。

↓ しっかりと楽しんでいた社員の様子

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