Salesforceユーザー向けに”SalesforceをExcelのように閲覧編集できる「Sheet」”などの製品を開発/販売している株式会社マッシュマトリックスは、会社設立から本年で10年を迎えました。今回は10周年記念企画と致しまして「Sheet」開発に至った経緯や今後10年に何を見据えているか、また開発を裏で支えていた意外なものについて、弊社代表の冨田が語ります。
ー10周年おめでとうございます!会社設立から10周年ですが、振り返っていかがですか?
あっという間でしたというのが第一印象ですね。会社の方向性やメンバーも色々変わりましたが、おかげさまでなんとかやって来ています。
ーマッシュマトリックスが現在主力で販売している製品である「Mashmatrix Sheet」ですが、この製品を開発するきっかけは何だったのでしょうか?
そもそもMashmatrix Sheet(以下 Sheet) の前に、現在も販売しているMashmatrix Dashboard(以下Dashboard)という製品が前身としてありました。「Dashboard」という製品はSalesforceのDashboardとはちょっと違うんですが、企業内に散財している様々な情報を一つの画面に集約し閲覧したり作業したりが自在に可能になる、というコンセプトの元に生まれています。その当時はマッシュアップという風に呼んでいましたが、実はそのマッシュアップのマッシュは会社名にも使われています。
Salesforceを利用されているお客様に提供するにあたり、Salesforceの中でも散財しているデータがあったので、それを一つの画面にまとめて業務を行いやすいような画面を作るということが非常に望まれるんじゃないかと思い、製品として出すことにしました。その中の「Dashboard」の機能の中に、「Sheet」で行なっているデータの一覧表示及びその場での一括編集といった機能が含まれておりまして、それがお客様にかなり好評でした。そのため、その機能の部分だけを切り出して販売した方がよりお客様に訴求出来るのではないかと思ったことから「Sheet」を開発する構想に至っています。
ー開発はどれくらいの期間がかかりましたか?
実際には構想は初期から行なっていたのですが、様々な理由がありまして開発に着手出来たのは4年位前でした。 ただ「Sheet」については1からスクラッチで書き上げたものになりましたので、「Dashboard」とは機能的には似ていても全く異なる製品として開発しています。
ー開発中大変なことはありましたか?
通常開発するときに大変になるのは、技術的な難易度などに加え、「これがお客さんに必要とされているのかどうか」といった検証をやっていかなければいけない事が挙げられます。しかし今回の「Sheet」の場合は、前身の「Dashboard」で確実にニーズがあると分かっていましたので、それに対しての不安要素や検証のために何か行う必要はありませんでした。ただ純粋にSalesforceを利用されているお客様にとって、一番作業がしやすい環境というのは何だろうと考えていった時に必要なものを実装していこうという事で、初期の開発が行われました。
もちろん今はかなり大勢のユーザー様にお使いいただくようになって来ていますので各方面から機能追加等のご要望もいただいています。ただ全ての機能を実装するわけにはいきませんので、何が重要か、何が優先度が高いかという事を確実に見極めて行くといった事が大変になるかなと思います。
ー冨田さんは、起業される前セールスフォースの日本法人で開発担当をされていたとか…
正確にいうと、基本的にはパートナーさんの開発サポートをメインにしておりました。つまり、弊社のようなISVパートナーに対して支援をする側の方にいました。
その中でサンプルコードやお役立ち系のアプリケーションなどを提供させていただく事が多数あり、コードを書くということは普通に行なっていました。そこでSalesforce上でお客様にアプリを提供するということについての可能性を実感したので、実際に会社を設立した際にも、そういったビジネスっていうのが念頭にあったのは確かです。逆の立場になってみた方が面白いのではないか、と考えたということも会社を設立したきっかけの一つです。
ーマッシュマトリックスの会社としての特徴を教えてください。
製品開発やコンサルティングを通じて、セールスフォースに対してどういったものが最適か、どういったアプリケーションにするべきかと言った知見はずっと貯めて来ました。元々私自身がエンジニアですので、セールスフォースの技術に留まらず、オープンなWeb技術というものを活用する事に対して意欲的に取り組んで来ました。
特にオープンソースソフトウェアを通じた、開発者のエコシステムについても貢献して来ております。具体的にはJSforceというライブラリを弊社のスポンサーの元で開発しておりますが、このライブラリはJavaScriptを用いたSalesforce開発において、事実上の標準としてグローバルで確立されています。
ーでは次の10年に見据えていることを教えてください。
お客様自身をエンパワーするようなソフトウェアを提供する事が弊社のミッションと考えています。「Sheet」はその内のデータの閲覧や編集を自在にする事を達成していますが、まだユーザーが自在にシステムを扱えるようになってるとは言い難いと見ています。ユーザーがシステムを自在に扱えるようにするための仕組みを提供するために様々な技術シーズがありますが、それらを貪欲に評価して出来れば製品に取り込んでいきたいと考えています。
ーありがとうございます。ところで冨田さんが製品の開発の際に欠かせなかったものがあると伺いましたが?
そうですね。頭を働かせるという名目なんですが、糖分補給は欠かせなかったです。よく食べていたのはGABAのチョコ缶です。以前は沢山入っているのがあったので、1日に2缶は食べてましたね。毎回買いに行かないでも無限に食べられるというか…まさに効率が良いんですよ。
ー効率を重視するところが冨田さんらしいというか(笑)
そうですかね。開発してる時はそれに集中したいので、その他の事を効率的にしたいと思っています。起業してすぐの頃は、家の近くにあった上島珈琲店で仕事をする事がたまにあったのですが、その時はBLTサンドと黒糖ミルク珈琲を頼むのがお決まりでしたね。最近久しぶりに行ったら、BLTが前と変わってたんですよねー…
ー久しぶりに行くとメニュー内容変わってたりしますよね(笑)。開発を裏で支えていたものは、お菓子(糖分)だったという訳ですね。よければ皆さんも参考にしてみてください(笑)
15周年20周年に向けてさらにパワーアップして行くマッシュマトリックスから目が離せません。この度はありがとうございました!
ありがとうございました。