- 御社の事業について教えて下さい
櫻田様:freeeは「スモールビジネスを、世界の主役に。」というミッションのもと、だれもが自由に経営できる統合型経営プラットフォームを実現します。
クラウド会計ソフトでシェアトップクラスの「freee会計」と「freee人事労務」や「freee販売」などの製品を提供しており、個人事業主の確定申告や法人の経理・給与事務・請求事務を中心に「バックオフィス業務の効率化と最適化」を推進しています。そのほかにも様々なサービスを提供していますが、それらが繋がってひとつのサービスとして統合、体験できるようになっています。
全業務時間の20~25%がSalesforceへのデータ入力に割かれていた
- 「Mashmatrix Sheet」の導入の経緯について教えて下さい
山本様:私たちが抱えていた一番の課題は、営業メンバーの全業務時間のうち、Salesforceへの入力業務が20~25%を占めていたことです。SaaSという業界の特性上、The Model制を採用しているため、お互いの役割を果たすためにも連携するべき情報も多くありました。その一方でSalesforceデータの項目を減らすなどの整備だけでは限界がありました。当時、事業部サイドとしてはいかに効率的に入力できるようにするか、情報の視認性をより向上させ管理をしやすくするかといったことを推進しようとしていました。
櫻田様:当初は各事業部ごとにそれぞれのSalesforceの画面をカスタマイズしていたのですが、工数が合わなくなってきました。具体的には、部署や業務担当によって重視する項目が異なるので、それらを個別につくっていると整合性がとれなくなってきますし、それぞれに最適化したものをつくるとなると莫大な工数がかかります。また、項目はあるのにそれを認識しづらくなるなど、抜け漏れも発生しやすくなりました。
そして、入力効率との両立も必要です。Salesforceの特性として、1レコードの画面を開いて次の情報をみる、つまり一括での視認性が課題になってきます。一覧で見ることは可能なのですが、そこからデータの更新ができないなどですね。
営業の後処理業務や準備業務といった大量のレコードに対して同じような更新を連続で行っていくことがあるのですが、Salesforceの標準機能では効率性に課題があります。
そうすると、スプレッドシートに落として業務をするメンバーが出始めたりします。
そこで、Salesforce自体がスプレッドシートのような画面になれば、そのようなことが避けられるのではないかと思い検討を開始しました。
それまでは一部開発を行ってきたものの、弊社のここ数年の事業スピードに追いつかなくなってきたこともあり、既成のパッケージをベースとすることを念頭においてSalesforceのAppExchangeを探したところ、Mashmatrix Sheetを見つけました。
複数の候補があったのですが、現場ではスピードを重視することからMashmatrix Sheetの画面レスポンスの良さと、分かりやすいUIでスムーズなデータ更新が可能な点が評価されました。数ライセンスから利用を開始し、その後、営業全体に拡大して本格的な利用を開始しています。
多くのレコードを扱っていると感じさせないレスポンスの良さ
- 「Mashmatrix Sheet」を使ってみて、特に優れていると思った点はありますか?
櫻田様:多くのレコードを扱っているとは感じさせない画面のレスポンスの良さですね。
他のツールとの比較検討を行いましたが、現場からはMashmatrix Sheetの方がレスポンスに優れているという声が多く上がりました。
弊社ではSalesforce環境を比較的長く使っていることもあり、多くのカスタマイズが行われてきました。結果として情報量が多く、また画面遷移が多くなりがちです。
こういった背景から、レスポンスに関するフィードバックが多くなったと思います。
また、事業部ごとにシート内データ列機能で短期的な検証項目の列を作成することでSalesforceに蓄積するべき情報かどうかのトライアルを行いながら明確にできる点もメリットとして大きかったです。
不要項目の精査はシステム管理者にとって大きな負荷となりますが、Mashmatrix Sheetを利用することでかなりの項目作成依頼を減らすことにもなりました。
山本様:Mashmatrix Sheetは、できることの幅が広いと感じています。Salesforceの画面を入力するだけではなく、新しい列を暫定的につくったり、UIを整えたりと、個々に合った見え方をつくれるのは大きなポイントだと思っています。
特に短期間で販売検証を行うチームの場合、検証内容を管理するデータの列をつることで、暫定的にMashmatrix Sheetにデータを蓄積して、定常的なオペレーションに組み込むタイミングでSalesforceにデータを載せ換えるという運用が可能になりました。このように、Salesforce上の実装工数を減らすだけでなく、データの持ち方という面でも大きな変化がありました。これは想定していなかった効果でした。
櫻田様:現場にカスタマイズの一定の権限を譲渡できるところも活用しやすいですね。どうしても現場とシステム管理者の距離があり、スピード感が異なるなかで、項目追加の権限を引き渡せたのは双方のメリットが大きいと感じていますし、実際にシステム管理工数も減っていると思います。
- 貴社内で実際に使われているユーザからの声にはどのようものがありますか?
山本様:そうですね、営業メンバーの多くでは、自身が持っている案件について一覧化して管理したいというニーズが高いです。Mashmatrix Sheetの画面でSalesforceの情報がリアルタイムに確認ができて、その場でデータを入力・編集・管理ができることに対しては、営業メンバーからの評価が非常に高いですね。あと、ビジュアル的に分かりやすく確認できるところも良いという声もあります。
また、営業部門向けとは異なりますが、弊社は案件が多いので、業務処理上、一括で処理を行うケースが多くあります。今まではSalesforceでデータ更新を行うオペレーションが煩雑だったのですが、Mashmatrix Sheetを、オペレーションを推進する部門に渡すことで、処理がかなりスムーズになりデータの整形がしやすくなりました。マーケティング機能の部門にとっては大きな効果だと思っています。
Salesforceへの入力時間が半減する大きな要因になった
- 御社の業務内容において特徴的に「Mashmatrix Sheet」が使われているところを教えて下さい
山本様:各部門からプロダクトサイドへのフィードバックなどを項目としてデータ列を使っていこうしています。プロダクトのリリースが年間数百とあるなかで、フィードバックが蓄積されなかったり、そのマスタを整形することがすごく大変だったりするので、Mashmatrix Sheetを活用できないかなと思い、取り組み始めています。
櫻田様:システム管理者側の視点になりますが、業務ごとにシートを分けて項目の編集可否を制御しているところでしょうか。
Salesforce標準画面では都度レコードタイプやレイアウトで制御が必要ですが、Mashmatrix Sheetであればその辺りの制御を事業部に一任することができるため、システム管理者のカスタマイズ作業を軽減することにも成功しています。
業務におけるカスタマイズや利用方法のアイデアは現場の方が生まれやすいと考えています。それをシステム管理者が論理的に設定してしまうと、現場の温度感が下がってしまうこともあります。スピード感を損なうことなく業務を現場に譲渡できることは、システム管理者としては負荷がなくなり、システム管理の基本的な業務や他のことを事業部へ提案するといった業務の転換ができます。この点は非常にメリットが大きいと思います。
山本様:先ほどもお話ししましたが、導入の効果としては、営業がSalesforceへ入力する業務時間が全体の約20~25%を占めていたのですが、Mashmatrix Sheetの導入後では、11~12%程度に大幅削減できています。項目を減らすなど他の施策も行っているので純粋にMashmatrix Sheetのみの効果とは言い切れませんが、Mashmatrix Sheetの導入は大きな要因であり、非常に大きな効果だと思っています。
作業効率のアップと画面最適化の両立を目指していく
- 今後の「Mashmatrix Sheet」の活用方法について、考えていることはありますか?
櫻田様:Salesforceのカスタマイズを重ねていけばいくほど作業効率面で課題となるのが、画面遷移が多くなることです。
そのため業務ごとに1画面で業務が完結する画面を構築するようにしていけば作業効率のアップと画面最適化が両立できると考えています。
Salesforceが苦手とするカラーでの強調表示など、システムが苦手な人にも分かりやすいカスタマイズを画面開発で取り入れていきたいです。
山本様:先日アンケートを取ったところ、全営業メンバーの7割以上がMashmatrix Sheetを週2回以上活用している状況でした。組織がこの2~3年で急拡大していまして、新しい社員も増えているなかで、Mashmatrix Sheetの利用の幅を拡げいかに使いやすくしていくか、という部分に取り組んでいきたいです。
- 最後に、Salesforceユーザの方へ「Mashmatrix Sheet」のおすすめポイントを教えてください
山本様:Salesforceではオブジェクトに情報がまたがる構造になっていると思っています。Mashmatrix Sheetは、それぞれのオブジェクトの情報を一つの画面から連動して確認や入力をすることができます。これはとても良いところだと思います。
櫻田様:Salesforceの画面はユーザに優しくなってきてはいますが、色も真っ白でさっぱりしていて、ドライだなという印象があります。そこをもう一歩使う人の立場に寄り添って、分かりやすい色であったり画面や項目の配置であったりをつくっていきたい。それがSalesforceの定着の課題だと感じられているユーザにはMashmatrix Sheetが適していると思います。
また、少ない工数で一括入力画面が作れるところもおすすめです。
Salesforceのレポート、ダッシュボードで最新の情報を閲覧したいマネジメント側と、今まで通りの入力画面で入力したいプレイヤー側との良い折衷案になると思います。
- ありがとうございました。