- 御社の事業について教えて下さい
大野様:弊社は創業140年以上の歴史をもつゼネコンで基幹事業を建築・土木・戦略の3つに分類しております。このうち私の所属する戦略事業本部は、建築・土木に次ぐ第3の事業の軸として社会課題を解決する新事業の創造を目指しております。主な事業としては、4つの事業、①国内投資開発事業、②グローバル事業、③GX(グリーントランスフォーメーション)事業、④国内グループ事業を行っています。
①国内投資開発事業は、不動産開発事業、不動産賃貸事業、有効活用事業を行っており、その中で、2024年に完成予定のTODA BUILDING本社建替や、茨城県常総市では公民連携の「アグリサイエンスバレー構想」を通じ、産業団地の整備を通じた農業の課題解決や地域創生まちづくりへの取り組みを進めています。
さらに②グローバル事業では「海外不動産投資・賃貸事業、海外建設事業」、③GX事業では「浮体式洋上風力発電をはじめとする再生可能エネルギー事業、エネルギーマネジメント事業」、④国内グループ事業では「インフラ整備からビル管理・運営に至るグループ各社の運営・連携支援」といった多様な事業に取り組んでおります。
Salesforceとは別にExcelでも収益・原価・利益を管理している状態だった
- 「Mashmatrix Sheet」の 導入の経緯について教えて下さい
大野様:もともと賃貸事業をする上で、テナント情報やテナントを誘致する記録を社内報告用にExcelで残していたのですが、担当変更などで情報がバラバラになり過去の経緯が分からなくなっていました。それを解消しデータを一元管理するため、2019年にSalesforceを導入しました。それと個人的な経験ではございますが、前職でSalesforceを扱っていたので、ある程度のカスタマイズができるということもありました。
山口様:Salesforceを導入したあとカスタマイズを重ねていく中で、不動産情報の定性的な部分、つまりテナントの入居状況や修繕計画などは入力できたのですが、予算情報のような定量的な部分をより深く入れる事ができたら良いな。と感じるようになりました。
その時は、お客様情報をSalesforceに入れつつも、別途Excelでも収益・原価・利益を管理している状態だったので、それをSalesforce上に一気通貫で管理できれば様々なメリットが得られると思い、解決法を探していました。
そこで、Salesforce担当者とSEの方にExcelのように入力できるツールはないか尋ねたところ、Mashmatrix Sheetの提案がありWEBサイトから資料請求したのが経緯ですね。
他のツールと比較した上で、選んだ理由は二つあり、Salesforceの担当者の提案を信頼していたこと、そしてMashmatrix Sheetの「ビュー作成機能」が、1つのデータベースにメンバーみんなで手分けしてデータを入力・更新する弊社の業務イメージとマッチしており魅力的に感じたからです。特に支店や担当部署ごとでビューを作成し、瞬時に切り替えられるのがよかったですね。
業務フローを一気通貫してシステム化できる機能が充実している
- 「Mashmatrix Sheet」を使ってみて、特に優れていると思った点はありますか?
山口様:Mashmatrix Sheetは、データの入力、検索、出力に至るまで、弊社の業務フローを一気通貫してシステム化できる機能が充実していたところが良かったです。私たちの業務フローにうまくマッチしました。例えば、通常のSalesforce標準画面から入力、編集する場合に比べ、Mashmatrix Sheetなら作業のステップが減るので格段に楽になります。おかげさまでスムーズに社内運用が進み、ユーザからの評判もとても良いです。
また、Salesforceにデータを一括登録する時、以前はデータインポートウィザードを使っていましたが、どこにエラーが出たのか瞬時に分かりにくいことが難点でした。Mashmatrix Sheetを使えば、コピー&ペーストで簡単に一括登録できますし、エラーも視覚的に分かりやすいので便利です。
紐づいている関連データを一画面に表示できるので、より深く分析できるようになった
- 御社の業務内容において特徴的に「Mashmatrix Sheet」が使われているところを教えて下さい
山口様:まず1つ目は、不動産賃貸事業の予算実績分析(計画に対する実績の進捗確認や、通期予測値の管理)に活用しています。
弊社では、不動産賃貸事業の収益・原価・利益のデータを「①物件別の年単位のサマリ」「②物件に入居するテナント別の年単位のサマリ」「③入居テナント別の月単位の伝票データ(家賃共益費など)」といった集計範囲・単位の異なるシートに入れて、それぞれのシート内のオブジェクトを関連させて段階的に管理しています。
例えば、以下のような動きをします。
①のシート(上段のシート)で物件Aの年間収益のオブジェクトを選択する
↓
①と連動して、②のシート(中段のシート)で物件Aに入居するテナントの一覧とそれぞれの年間収益のオブジェクトが表示される
↓
②のシートの特定の入居テナント(テナントA)の年間収益のオブジェクトを選択する
↓
②と連動して、③のシート(下段のシート)で、入居テナント(テナントA)の年間収益の内訳の月別の伝票データが表示される
このように、Mashmatrix Sheetの「連動シート」機能を使い、3つのオブジェクトを一画面上に表示させ関連情報を連動表示させることで、物件に関するテナント収益や伝票データをひと目で確認できるのでとても便利です。このため、こちらのシートの仕組みを使って、詳細な予算実績分析が可能になりました。
なお、以前はこの3つのシートをExcelで別々に管理していたのですが、1つの物件情報だけを見ていても、付随するデータを合わせて見られないと、なぜ収益・原価・利益が変化したか分からないため効率的に検証ができませんでした。今はMashmatrix Sheetを使うことで、紐づいている関連データを一画面に表示できるので、効率よく、そしてより深く分析できるようになりました。Excelで管理していたものをそのままMashmatrix Sheetに移せたのが良かったです。
また、※1「ビュー切り替え機能」を使い、部署・支店ごとにシートを切り替えて表示させることで、ユーザが入力しやすいようにしています。弊社のような大きな組織でも使いやすく利便性が良いですね。
※1「ビュー切り替え機能」のプルダウン画面
「書式設定」「検索フォーム」などを活用し、ユーザの利便性を高めている
あと、1つのシートに別ロール(業務)の複数のユーザが入力するので、経理担当が入力する部分は青、物件担当が入力する部分は赤、というように視覚的に分かりやすいよう「書式設定」を組んでいます。触らないで欲しい部分はグレーアウトして工夫することで、ユーザにとって入力すべき部分が分かりやすくなり、教える側も操作のレクチャーが楽になりました。導入からスムーズに運用まで進んだのもメリットの1つです。
また、物件数が多いので※2「検索フォーム機能」で物件検索をしやすくしたり、※3「アクション機能」で、シートフッタ部分にボタンを配置し、マニュアルやSalesforceのレポートページへすぐ飛んで確認できるようにしています。補足情報を載せられることも強みですね。
※2「検索フォーム機能」の検索画面(黄色でハイライトした箇所に物件名称を入力)
※3「アクション機能」のシートフッタ部分のボタン
Salesforce関連業務の可視化・運用管理に役立っています
2つ目は、Salesforceへのデータ取り込みやchatterでの連絡、外部システムへの連携などのSalesforce関連業務をチームで管理する際に利用しています。こちらは主にマネジメント側の機能となりますが、月次、年次、都度といった業務の頻度毎にタスクのオブジェクトを作成し、担当者・タスクの内容などを※1一覧画面に表示したものです。一覧画面の各タスクのオブジェクトは、名称をクリックすると、※2明細ページにリンクし、詳細な業務内容が表示され、マニュアルもダウンロードできるようになっています。
これらの画面は、業務の可視化・運用管理に役立っています。
また、弊社はSalesforceにBIツールのTableauを連携しているのですが、Mashmatrix Sheet から入力したデータがきちんと蓄積されているので、Tableauを有効活用できています。グローバルな地図情報と連動した国別のポートフォリオなど、データを可視化して見られるのもMashmatrix Sheet のおかげです。
- 今後の「Mashmatrix Sheet」の活用方法について、考えていることはありますか?
山口様:短期間でバージョンアップがあり新しい機能が追加されるので、弊社の業務にどういう形で取り込めるかを常にキャッチアップして機能拡張に繋げていきたいです。ユーザの利便性を高める機能を充実させたいですね。
コスト面だけではなく操作面においても、導入時のハードルが低いところがオススメ
- 最後に、Salesforceユーザーの方へ「Mashmatrix Sheet」のおすすめポイントを教えてください
山口様:コスト的な部分だけではなく操作の面においても、導入時のハードルが低いところがオススメですね。エンジニアのような特別な技術がなくても理解でき操作も容易なので、まずはスモールスタートからトライアルするのも良いと思います。そのあとで深く作り込むこともできるので、それぞれの会社独自のExcelにも柔軟に適応できる可能性が高いと感じています。
- どうもありがとうございました!