数式はSalesforceを使いこなす上で非常に重要な機能です。Mashmatrix Sheetでは、シート内数式列が大幅に強化され、シート内のレコードを検索し一致するレコードの値を返す関数である「VLOOKUP関数」が利用できるようになりました。Salesforceのオブジェクト上での関連にとらわれることなく他のオブジェクトのデータをシート内に結合して表示可能です。本記事では、VLOOKUP関数の機能や設定方法、ユースケースをご紹介いたします。
※ 以下の記事もご参照ください。
数式列が大幅強化!集計関数の利用方法とユースケースをご紹介 〜Mashmatrix Sheet 23.0〜
Salesforceへの一時的な数式追加にはコレ!シート内に数式列を追加しよう
VLOOKUP関数の利用方法
VLOOKUP(value, search_column, result_column)
指定された値と一致するレコードを検索してそのレコードの値を返します。
引数名 | 説明 |
---|---|
value | 一致検索する値 |
search_column | 一致検索する値を持つ列への参照 |
result_column | 返却する値を持つ列への参照 |
検索列/返却列に他シートの列への参照を指定することで、他シートの値を検索して返すことも可能です。検索列と返却列には同一のシートの列を指定する必要があります。
※VLOOKUP関数を用いた数式例や制限については、以下ユーザーガイドをご参照ください。
https://docs.mashmatrix.com/mashmatrix-sheet/v/ja/functions_about_displaying_data/function/other_extension_functions
VLOOKUP関数の追加方法
- 列ヘッダメニューから列を追加を選択し、「数式列」タブをクリックします。
- 「関数」タブから「その他」カテゴリの中にあるVLOOKUP関数を選び「挿入」ボタンを押します。すると下画像2のように数式が入力されます。
- 2.で入力された数式 VLOOKUP(value, search_column, result_column) に対し、上記「VLOOKUP関数の利用方法」を参考にして、項目を入力する。
- 「列タブ」を開き、対象となる「シート」を選択、「現在の行/全ての行」を選択し、項目を挿入。
- 検証後、適用をクリック
VLOOKUP関数を利用した応用例
- リードの情報のうち、すでに商談化されている顧客かどうかを発見して、無用なコールを減らす
- 代理店の条件に応じてマージン利率を調整して請求データを作成する
- 見積明細を入力する際に、顧客のランクごとに異なる価格マスタ情報を利用する
では次にVLOOKUP関数を用いたユースケースをご紹介いたします。
VLOOKUP関数を用いたユースケース
今回は、VLOOKUP関数の例として、各種商品明細などの価格入力の際に価格マスタデータから価格を参照するユースケースご紹介します。こちらの説明では以下のカスタムオブジェクトがSalesforceに定義されていることを想定しています。
価格入力
表示ラベル | API参照名 | データ型 |
---|---|---|
品名 | Product_name__c | 選択リスト |
価格マスタ
表示ラベル | API参照名 | データ型 |
---|---|---|
品名 | Product_name__c | テキスト |
価格 | Price__c | 通貨 |
ここでは”価格入力”オブジェクトと”価格マスタ”オブジェクトはSalesforce上のオブジェクトの関連はありません。このようなオブジェクトであっても、Mashmatrix Sheetの数式列とVLOOKUP関数を使えば、他のオブジェクトのデータをシート内に結合して表示が可能です。
以下、価格入力シートの「品名」を入力すると、価格マスタシートにある「品名」「価格」データから、品名が一致する「価格」が価格入力シートに表示されるようにしていきます(下画像参照)
(※価格入力シートの「品名」を検索して、価格マスタシートの「価格」の値を取り出します。)
1. 価格入力シートに、数式列を追加する。
- まず、価格入力オブジェクトと価格マスタオブジェクトのデータを表示するシートをそれぞれ作成します。わかりやすいように縦方向に2画面分割して表示します。
- 価格入力シートには「品名」列を、価格マスタシートには「品名」「価格」列を表示させておきます。
- 価格入力シートに数式列を追加します。
列ヘッダメニュー > 列を追加 > 数式列タブ を表示
- 表示ラベル:リスト価格(任意)
- データ型:通貨
を入力し、数式エディタボタンをクリックします(下画像赤枠)
2. 数式を編集する
<ここがPOINT!!>
今回は、価格入力シートの「品名」列に値を入力すると、価格マスタシートの「品名」を検索し、条件が一致した「価格」の値を、価格入力シートの「リスト価格」列に表示させたい(値を返したい)ので、『VLOOKUP関数』を用いた数式を作成します。
- まず、数式エディタから「関数」タブをクリック、「VLOOKUP」関数を表示させ選択。挿入ボタンをクリックします。(※VLOOKUP関数についてはこちらをご参照ください)
- すると VLOOKUP(value, search_column, result_column) という数式が入力されました。(下画像参照)それぞれの引数に値を入力していきます。
- まず value には一致検索する値を入力するので、価格入力シートの「品名」列を指定します。
▶︎列タブを開き、価格入力シートを選ぶ。「品名」列を選択し、「現在の行」をチェック後、挿入をクリック。すると下画像緑線のように [@Product_name__c] と入力されます。
- 次に search_column は一致検索する値を持つ列への参照を入力するので、価格マスタシートの「品目」列を指定します。
▶︎列タブを開き、価格マスタシートを選ぶ。「品名」列を選択し、「すべての行」をチェック後、挿入をクリック。すると下画像緑線のように [s3].[#Product_name__c]と入力されます。
(※ 数式内では全ての行を選択する場合、 [#列の参照名] の形式で指定します。)
(※ [s1]は価格入力シート、[s3] は価格マスタシートのシートIDです。)
- 最後に result_column は返却する値を持つ列への参照を入力するので、価格マスタシートの「価格」列を指定します。
▶︎列タブを開き、価格マスタシートを選ぶ。「価格」列を選択し、「すべての行」をチェック後、挿入をクリック。すると下画像緑線のように [s3].[#Price__c]と入力されます。
- 検証ボタンをクリックし「有効」と表示されたら適用をクリックし、追加します。
下画像のように「リスト価格」列(数式列)が追加されました。
3. 結果を確認する
価格入力シートの「品名」項目を入力し、作成した数式列(「リスト価格」)に価格が表示されるかを確認します。
品名を入力することで「リスト価格」が自動入力されました!
今回のVLOOKUP関数で指定した引数を、各シートの項目列と付き合わせると下画像のようになります。
今回はVLOOKUP関数の機能や設定方法、ユースケースについてご紹介させていただきました。オブジェクト上での関連にとらわれることなく、他のオブジェクトのデータをシート内に結合できるとても便利な機能です。ぜひ業務にご活用ください!
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