Salesforceのリストビューでレコードを一括編集する際、画面上で編集できる機能はないか知りたい方も多いでしょう。結論から申しますと、リストビューでのレコード一括編集は可能です。しかし、デフォルトで備わっている機能には限界があり、より幅広く一括編集を行いたいという場合にはツールによるカスタマイズが必要です。本記事では、リストビューで一括編集する際のデフォルトでできることとできないこと、おすすめのツールなどを紹介いたします。
目次
Salesforceで一括編集(一括更新)できるもの
Salesforceの画面上で一括更新つまり一括編集できるものは次の4つです。
- データインポートウィザード
- レコード一括移行
- データの一括インポート・エクスポートするAPIツール
- リストビュー
一括編集できるものは様々ありますが、本記事ではリストビューの一括編集について掘り下げていきます。
リストビューで一括編集する流れ
Salesforceのリストビューで一括編集する流れは、「一括編集の設定方法」「一括編集の仕方」「デフォルト機能ではできないこと」の3つです。一括編集ができない場合はきちんと設定が完了していない場合があります。
そのため、しっかりと設定・編集方法を理解しておくことが大切です。ここでは「リストビューで一括編集する流れ」を解説します。
一括編集の設定方法
リストビューにおいて一括編集する場合は、「インライン編集」と「拡張リスト」をそれぞれ有効化しておかなければなりません。ここでは「インライン編集の有効化」の仕方について紹介します。
まずSalesforceの右上にある歯車マークをクリックして、ポップアップが出ましたら「設定」をクリックしてください。設定画面が表示されたら「ユーザーインターフェース」をクリックして、「トランスレーションワークベンチ」の下にある「ユーザーインターフェース」を選択します。
「ユーザーインターフェース」の設定画面が表示されたら、リスト内にある「インライン編集を有効化」と「拡張リストを有効化」にチェックを入れてください。チェックを入れたのを確認してページ
下部にある「保存」ボタンをクリックしましたら、リストビューでの一括編集の設定は完了です。
余談ですが、オブジェクトでレコードタイプを使用している際は、ビューの「検索条件の指定」をレコードタイプに指定しなければなりません。またオブジェクトのレコードタイプがすべて「無効」の場合、該当するレコードはインライン編集が機能しないので注意しましょう。
一括編集の仕方
一括編集する場合にはビューの左にあるチェックボックスにチェックを入れて、一括編集したいレコードを選択します。チェックが完了しましたら、変更したいレコードをダブルクリックしてください。ダブルクリックをすると、変更の適用先を選ぶためのポップアップが表示されます。
ポップアップに表示されている「選択した○件数のレコード」を選択すれば、レコードの一括編集が可能です。
デフォルト機能ではできないこと
前述のとおり、「一括編集」「一括更新」「一括削除」などの機能をデフォルトでは使用できません。これらの機能を使用するためには、ツールをインストールして機能拡張によるカスタマイズが必要になっていきます。よりExcelの近い使用感でビューの一括編集をしたい場合にはツールの利用を検討してください。
【無料ツール】Salesforce Mass Editorとは
Salesforceのビュー画面上で一括編集の機能を拡張してくれるツールが、Chromeの拡張機能で無料利用できる「Salesforce Mass Editor」です。「Salesforce Mass Editor」をインストールして、Chromeで「Salesforce」を開けば、ビュー画面上で一括編集が行えます。ここでは「Salesforce Mass Editor」のインストール方法と機能について見ていきましょう。
「Salesforce Mass Editor」のインストール方法
ここではChromeにおける「Salesforce Mass Editor」のインストール方法について紹介します。
「Chrome」の右上にある3つの丸が縦並びになっているマークをクリックしてください。クリックするとメニュータブが表示されますので、「その他のツール」から「拡張機能」を選択しましょう。
拡張機能ページが表示されたら、左上のメニューボタン→下部にある「Chromeウェブストアを開きます」の順にクリックすると、Chrome Webストアにアクセスできます。余談ですが、Googleで「Chromeウェブストア」とキーワード検索してもアクセス可能です。
アクセスできたら左側上部にある検索窓から「Salesforce Mass Editor」で検索します。検索結果から「Salesforce Mass Editor」を選択して「Chromeに追加」ボタンをクリックしましょう。
追加ボタンを押すとポップアップが表示されますので、「拡張機能を追加」をクリックしてください。これで「Salesforce Mass Editor」のインストールは完了です。「Salesforce Mass Editor」を導入すると、リストビューの画面右上に「一括編集」ボタンが追加表示されます。「Salesforce」を開いている状態でインストールした場合には「一括編集」ボタンが追加表示されません。ページの更新もしくは一度ページを閉じて再アクセスしてみてください。
「Salesforce Mass Editor」の機能
次に「Salesforce Mass Editor」の機能について紹介します。使用できる機能は次のとおりです。
- 一括新規
- 一括更新
- 一括コピー
- 一括削除
これらすべての機能をインストールしただけで利用できます。CSVファイルの出力やExcelの複数データもまとめてコピー・ペーストすることも可能です。「Salesforce Classic」や「Lightning」でも利用できるので無料で機能を拡充したい方は導入を検討してみてください。
【有料ツール】Mashmatrix Sheetとは
「Mashmatrix Sheet」とは「Salesforce」をExcelのような使用感で利用が可能となる有料ツールで、株式会社マッシュマトリックスが提供しています。導入すれば一括編集だけでなく検索や絞り込みなどのあらゆる操作が可能です。ここでは「Mashmatrix Sheet」のインストール方法や料金、機能について詳しく解説します。
「Mashmatrix Sheet」インストール方法
最初に「Mashmatrix Sheet」のインストール方法を見ていきましょう。「Mashmatrix Sheet」を導入する際にはまず「AppExchangeサイト」にて「無料のユーザー登録」を行い、管理者アカウントを用意しておく必要があります。
管理者アカウントを用意した状態で「AppExchangeサイト」にアクセスして、検索窓で「Mashmatrix Sheet」を検索しましょう。「Mashmatrix Sheet」のページが表示されましたら、ページ右上にある「今すぐ入手」ボタンをクリックしてください。
管理者アカウントを用意した状態で「AppExchangeサイト」にアクセスして、検索窓で「Mashmatrix Sheet」を検索しましょう。「Mashmatrix Sheet」のページが表示されましたら、ページ右上にある「今すぐ入手」ボタンをクリックしてください。
※ AppExchangeサイト内製品ページ
https://appexchangejp.salesforce.com/appxListingDetail?listingId=a0N3000000Dpu0vEAB
クリック後、管理者アカウントでログインしてインストールする管理者情報の記載に間違いがないか確認したうえで、インストールを行います。インストールを実行する際は、「管理者のみ公開」を選択したうえでインストールしましょう。
インストール完了しましたら、Salesforceのアプリケーションメニューを確認してください。アプリケーションメニューに「Mashmatrix Sheet」が追加されていれば、インストールは完了です。
インストール後にライセンス申し込みを行い、手続きがすべて完了しましたらライセンスが有効化されます。
「Mashmatrix Sheet」の基本料金
ここでは「Mashmatrix Sheet」の利用料金について見ていきます。基本プランは大きく分けて「トライアル」「基本ライセンス」「大規模向け」の3つです。
最初に紹介するのが、「トライアル」で30日間無料利用できます。後述する有料プランと同等の機能が利用可能で、ユーザー数は無制限です。トライアルから有料版へはそのまま移行できるのも大きなポイントといえるでしょう。
2つ目に紹介するのが「基本ライセンス」です。初期費用はかからず、基本サポートも込みで1ユーザーあたり1,500円(税別)となっています。月額払いでも一括払いどちらも可能です。
最後に紹介するのが、「大規模向け」プランでこちらは100ユーザー以上の利用者がいる企業が対象のプランで、料金は見積もり次第となっています。初期費用がかからない点やサポート込み、月額払いと一括払いを選べるのは「基本ライセンス」と同様です。
「Mashmatrix Sheet」のオプション料金
「Mashmatrix Sheet」では前述の基本料金とは別にオプション料金もあります。オプション料金は「時系列マトリックス変換」「一括承認アクション」の2つです。
「時系列マトリックス変換」とは、Salesforceの縦持ち形式のリストで保管してある日次や月次を時系列マトリックスに変換できる機能で、1ユーザーあたり月額500円から利用できます。ただこちらのオプションは、契約するすべてのライセンスで購入しなければならないので注意しましょう。
「一括承認アクション」とは複数の申請を一括で承認できる機能で、料金は1組織あたり月額10,000円です。
「Mashmatrix Sheet」の機能
「Mashmatrix Sheet」の一括編集は「Salesforce Mass Editor」と同じように以下の機能が利用できます。
- レコードの新規作成
- 一括編集
- 一括更新
- 一括コピー
- Excelデータのコピー&ペースト
- CSVファイルの出力
「Mashmatrix Sheet」で利用できる機能としては「膨大なデータを一目で確認できる」があります。Excelのようにスクロールできる表形式で表示でき、画面を切り替えることなくデータ確認が可能です。
「Mashmatrix Sheet」を利用するメリット
「Mashmatrix Sheet」は「Salesforce Mass Editor」と違って、月額料金がかかりますが非常に多機能でよりExcelに近い使用感で作業が行えます。簡単ではありますが、両者の主な機能を下記で比較しました。
Salesforce Mass Editor | Mashmatrix Sheet | |
列固定・自由スクロール | × | ○ |
直接・一括編集 | ○ | ○ |
フィルター・ソート | × | ○ |
画面分割・連動 | × | ○ |
Excelからコピー&ペースト | ○ | ○ |
CSVファイルのダウンロード | ○ | ○ |
レコードの新規作成・複製 | ○ | ○ |
上記以外にも「Mashmatrix Sheet」しかできない機能は多くありますので、作業効率を高めたい方は利用を検討してみてください。
まとめ
本記事では、「Salesforce」においてレコード更新を効率化するためのビュー画面上の一括編集について紹介しました。しっかりと設定しておけば、デフォルト機能であっても「Salesforce」で一括編集は可能です。しかし、デフォルト機能では利用できる幅が狭いため、レコード更新を効率化するには物足りません。効率化を重視するのであれば「Mashmatrix Sheet」や「Salesforce Mass Editor」などの機能を拡張できるツールの導入を検討してください。
「Mashmatrix Sheet」は有料ツールですが、前述のとおり30日間のトライアルプランがありますので、安心して使用感を確認できます。まずはトライアルプランで試してみましょう。
———————————————————————————
SalesforceをExcelライクに快適データ入力しませんか?
今なら30日間無料トライアル実施中!
———————————————————————————
【執筆者】
田中奈穂子
https://nakochi.work/
FinTech上場企業でSalesforceを中心としたビジネス基盤の構築を担当後、さまざまなSalesforce導入企業で導入支援・定着化を行う。Salesforce上級認定アドミニストレーター。