Salesforceを現場に定着させるためには、データ入力の負荷を下げることが必要不可欠です。Mashmatrix Sheetでは「自動入力」機能がリリースされ、新規のレコード作成時や編集時に項目に対して値を自動的に入力することが可能になりました。ルールにより入力データを自動的に決定、保管できるので、手作業データ入力の負荷が減り快適な入力環境を実現できます。本記事では、自動入力の機能紹介やユースケースをご紹介いたします。
Mashmatrix Sheetの自動入力について
- 編集可能な項目を含む列に対して、あらかじめ「ルール」を設定して、自動的に入力される値を決定します
- ルールは数式で記述します
【自動入力のタイミング】
自動入力のタイミングはレコードの作成時およびレコードの更新時を指定可能です
※レコード更新時にチェックを入れた場合でも、セルの値をマニュアルで編集した場合には、以降の編集では自動入力は実行されません
ワークフロー/プロセスとの違い
【ワークフロー/プロセスの項目自動更新】
- Salesforceでのレコード保存時に作動
- 保存に成功するまで結果がわからない
- 更新時に参照できる値はリレーションを持つもののみ
【Salesforce項目のデフォルト値】
- 標準画面上でのレコード新規作成時のみ
- レコード値の参照は不可
【Sheetの自動入力】
- Sheet画面上でレコード作成/レコード更新時に作動
- レコード保存の必要なし、入力と同時に結果を即時フィードバック
- 参照関係にない異なるオブジェクトの値も参照可能
設定方法と自動入力の例
では、実際の自動入力の例を元に、設定方法も合わせてご紹介いたします。
例1:新規で商談レコードを作成する際、完了予定日に現在の日にち+2ヶ月後に設定した値を自動入力させる場合
1.商談シートを表示させ、完了予定日列に自動入力の数式を入力します。
ー「完了予定日」列の列ヘッダメニュー > 設定 > オプションタブ をクリックし、数式編集ボタン(下画像赤枠)をクリック
2.次に数式を入力します。今回は日付に月数を追加した値を表示したいので「ADDMONTHS関数」を利用します。
ー 関数タブから「ADDMONTHS」関数を選択し、挿入。
3.数式エディタ内に、以下のように数式を入力します。
入力が完了したら数式を検証し、有効と表示されたら適用をクリックします。
4.今回は新規レコード作成時のみで値を自動入力させるので、
”自動入力のタイミング > 「レコード作成時」”にチェックを入れ、保存します。
(下画像参照)
5.最後に自動入力が正しく設定されているかを確認します。
新規レコードを作成すると、下画像のように現在の日にち+2ヶ月後の完了予定日の値が自動入力されました(※ここでは現在の日にち=2021/9/6 と設定してあります。)
例2:取引先を選択すると、商談名に取引先名が自動的に補完されるように設定する(※新規レコード作成時、更新時の両方)
1.商談シートを表示させ、商談名列に自動入力の数式を入力します。
「商談名」列の列ヘッダメニュー > 設定 > オプションタブ をクリックし、数式編集ボタン(下画像赤枠)をクリック
2.数式を入力します。数式エディタ内に、以下のように数式を入力します(下画像オレンジ線部分)
3.今回は新規レコード作成時、更新時の両方で自動入力させるので、
”自動入力のタイミング > 「レコード作成時」「レコード更新時」”の2つにチェックを入れ、保存します。(下画像参照)
4.最後に自動入力が正しく設定されているかを確認します。
新規レコードを作成時に、取引先を選択すると商談名に取引先名が自動的に補完されました。(下画像参照)
「自動入力」と「VLOOKUP関数」を用いたユースケース
Mashmatrix Sheetには、シート内数式列の「VLOOKUP関数」という機能があり、自動入力と組み合わせて用いることで更に便利にお使いいただけます。
※VLOOKUP関数について詳しくはこちらの記事をご参照ください。
[Salesforce] 数式列が進化!VLOOKUP関数で他のオブジェクトのデータをシート内に結合して表示しよう!〜Mashmatrix Sheet 23.0〜
今回は、「自動入力」とシート内数式列の「VLOOKUP関数」の両機能を用いた例として、『各種商品明細などの販売価格入力の際に、価格マスタデータから価格を参照し、値を自動入力』させます。
上記事で紹介しているシート内数式列「VLOOKUP」関数の場合、シート内のみで有効な数式列を作成し、価格をシート内で参照したものを表示していましたが、自動入力を用いることでSalesforceの項目に入力ができるので、Salesforceにデータとして保存し活用できるようになりました。
また、入力された値を直接書き換え可能なので、販売価格が定価ではない時など価格の変更にも柔軟に対応できます。
※本ユースケースで用いるカスタムオブジェクトと項目の定義については「VLOOKUP関数を用いたユースケース」をご参照ください。
今回は、上記事の内容に加えて、以下の項目がオブジェクトに追加されております。
価格入力
表示ラベル | API参照名 | データ型 |
販売価格 | Sale_price__c | 通貨 |
数量 | Quantity__c | 数値 |
金額 | Price__c | 通貨(数式) |
1. 価格入力シートと価格マスタシートを表示する
1.「VLOOKUP関数を用いたユースケース」で、シート内数式列として追加した「リスト価格」の代わりに、今回は「販売価格」項目列を追加します。
2. 価格入力シートの「販売価格」列に、数式を設定する
1.価格入力シートの「販売価格」列に自動入力の数式を入力します。
「価格入力」列の列ヘッダメニュー > 設定 > オプションタブ をクリックし、数式編集ボタン(下画像赤枠)をクリック
2.今回は、価格入力シートの「品名」列に値を入力すると、価格マスタシートの「品名」を検索し、条件が一致した「価格」の値を、価格入力シートの「販売価格」列に入力したいので、『VLOOKUP関数』を用いた数式を作成します。
ー 数式の編集エディタ > 関数タブ > VLOOKUP関数を選択 > 挿入
3.すると VLOOKUP(value, search_column, result_column) という数式が入力されました。(下画像参照)
次に、それぞれの引数に以下の値を入力します。
VLOOKUP([@Product_name__c], [s3].[#Product_name__c], [s3].[#Price__c])
4.数式を入力後、検証ボタンをクリックし「有効」と表示されたら適用をクリックします。
3. 自動入力のタイミングを設定する
最後に、値を自動入力させるタイミングを設定します。今回は、価格入力レコードを編集して品名を選択した時に値を自動入力させたいので….
”自動入力のタイミング > 「レコード作成時」「レコード更新時」”の2つにチェックを入れ、保存します。(下画像参照)
4. 結果を確認する
先ほど設定したVLOOKUP関数と自動入力が正しく反映されるかを確認します。
価格入力シートの「品名」項目を入力し、「販売価格」に値が表示されるかを確認します。
品名を入力することで販売価格が正しく自動入力されました!(上画像参照)
また、自動入力された販売価格は直接編集が可能なので、販売価格が定価ではない時でも価格の編集がすぐできるので便利ですよ!
ちなみに….Mashmatrix Sheetでは、数量を入力すればレコードの保存前でもリアルタイムに値が計算されます。(※金額=販売価格×数量 で数式を設定してあります。)
まとめ
本記事では自動入力の機能紹介やVLOOKUP関数を用いたユースケースをご紹介いたしました。自動入力を活用することで、手作業データ入力の負荷が減り快適な入力環境を実現できます。Salesforceの定着も期待できますので、ぜひお試しください!
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