[Salesforce] 数式列が大幅強化!集計関数の利用方法とユースケースをご紹介 〜Mashmatrix Sheet 23.0〜

Salesforceを活用する中で、頻繁に使う機能として「数式」が存在します。Mashmatrix Sheetでは、シート内数式列が大幅に強化され、列の合計値などを計算できる「集計関数」が利用できるようになりました。(COUNT、SUM、AVERAGEなど)また、同じシートだけではなく他のシートの集計結果も数式で利用できます。本記事では、集計関数の機能や設定方法、ユースケースをご紹介いたします。

※ 以下の記事もご参照ください。
Salesforceの管理者権限なしで自分だけの項目列を作ろう! 〜シート内データ列〜
Salesforceへの一時的な数式追加にはコレ!シート内に数式列を追加しよう

集計関数の機能

今回のリリースで、以下の集計値を計算できる集計関数が数式に追加されました

【追加された集計関数】

  • SUM() / SUMIFS()
  • COUNT() /COUNTIFS()
  • COUNTDISTINCT() / COUNTDISTINCTIFS()
  • MAXVAL() /MAXVALIFS()
  • MINVAL() /MINVALIFS()
  • AVERAGE() /AVERAGEIFS()

集計関数は列全体の参照(すべての行)を引数に取ります。数式内では [#列の参照名] の形式で指定します。また、他のシートの列を集計することも可能です。他のシートの列全体の参照は [シートID].[#列の参照名] の形式となります

※集計関数の例や条件書式については、以下ユーザーガイドをご参照ください。
https://docs.mashmatrix.com/mashmatrix-sheet/v/ja/functions_about_displaying_data/function/aggregation_functions

集計関数の追加方法

  1. 列ヘッダメニューから列を追加を選択し、「数式列」タブをクリックします。
  2. 「関数」タブから「集計」カテゴリの中にある関数を選び「挿入」ボタンを押します
  1. 「列」タブを開き、集計したい列を選択した後、「すべての行」のチェックを入れて「挿入」ボタンを押します

他シートの列の集計方法

他シートの列を集計するには、集計関数の引数に他シートの列への参照を指定します

  1. 列ヘッダメニューから列を追加を選択し、「数式列」タブをクリックします。
  1. シート選択切り替えから対象のシートを選びます。
  1. 表示された列を選んで「挿入」ボタンを押します
    (現在のシート以外の列では「すべての行」のみが選択可能です)

では次に集計関数を用いたユースケースを2パターンご紹介いたします。

集計関数を使ったユースケース1:表示しているシート内の集計値を出す

まずは、表示しているシート内の集計値を出すユースケースをご紹介します。今回は、『請求明細シートに、各請求明細の金額の全体における割合を出す数式列を追加する』方法を例としてご紹介します。なお以下の説明では請求明細シートに「金額」という名の列(列の参照名: Amount__c)があらかじめ追加されていることを想定してます

設定方法

1 . 請求明細シートに、数式列を追加する。

  1. まず請求明細シートを表示し、シート内数式列を追加します。
    列ヘッダメニュー > 列を追加 > 数式列 を選択する。
  1. 数式列の表示ラベル/データ型を入力し、数式エディタを開く
    数式列タブが表示されるので、表示ラベルに「割合」(任意)データ型に「パーセント」を選択します。(画像1参照)
画像1

次に、数式を入力するために​​数式エディタボタン(下画像2)の赤枠をクリックし、数式エディタを表示する。

画像2

2 . 数式を編集する

<ここがPOINT!!>

今回は、各請求金額の全体における割合を表示させる数式を入力したいので、集計関数である「SUM」を使い、それぞれの金額の割合を出していきます。

  1. まず、数式エディタから「関数」タブをクリック、「SUM」関数を表示させ選択します。挿入ボタンをクリックします。(※SUM関数についてはこちらをご参照ください)
  1. すると SUM(column) という数式が入力されました。
    次に「列」タブをクリックし、シートが「請求明細」になっていることを確認。数式の column 部分(緑下線部分(①))を選択しておきます。
    ▶︎列タブから「金額」を選択します。
  1. ここでは「金額」列すべての合計値を出したいので、「すべての行」にチェックを入れ、挿入ボタンをクリックします。すると数式に[#Amount_c]と入力されました。(※ 数式内では全ての行を選択する場合、 [#列の参照名] の形式で指定します。)
  1. 次に、各金額のパーセンテージを出したいので、先ほど入力した SUM([Amount_c])の前に / (スラッシュ)を入力します。(下画像赤矢印)

    そして、その前の部分(下画像赤線部分)に列タブから「金額」列を選択。最後に『現在の行』にチェックを入れ、挿入ボタンをクリックします。
  1. すると、下画像のような数式が入力されます。最後に「検証ボタン」をクリックし、数式が正しいかどうかを確認します。
  1. 「有効」と表示されたら、適用ボタンをクリック、列を追加します。

3 . 確認する
「割合」列(数式列)が追加されたかを確認します。

「割合」列が追加され、それぞれの金額の割合がきちんと表示されたのが確認できました!

集計関数を使ったユースケース2:他のシートの集計結果を参照する

では次に、他のシートの集計結果を表示させる数式列の追加方法をご紹介いたします。

<POINT>

Salesforceでは積み上げ集計という機能があり、オブジェクト同士が主従関係の場合、親オブジェクトの項目に子オブジェクトの集計値を表示できます。しかし、参照関係のオブジェクトの場合(例えば取引先と商談)、親オブジェクトの項目に子オブジェクトの集計値を表示できませんでした。

そこで、Mashmatrix Sheetの「集計関数」を利用すれば、オブジェクトの関連に関係なく、親オブジェクトのシート内に子オブジェクトの集計値を表示できます。今回は『取引先シートに取引先ごとの商談数を表示する数式列』を追加する方法を例としてご紹介します。

設定方法

1.取引先と商談のカスタム連動シートを作成する

  1. 対象となる取引先を一覧するシートを用意します( 今回は例として取引先種別を「お客様」にフィルタしてあります)
  2. 上記シートにはあらかじめ取引先ID列を追加しておきます。
    ▶︎列ヘッダメニュー> 列の追加 > 取引先ID
  1. 次に、取引先シート内の取引先に関連したすべての商談が表示される商談シートを追加します。
    ▶︎画面左端にある「+ボタン」をクリック > 連動シートを追加
  1. 連動シートを作成ダイアログが表示されるので、基準シートに「取引先」を選択し「カスタム連動」タブを開きます。
  2. 次に以下のように入力します。(下画像を参照)
  • 連動シートに表示するオブジェクト:「商談」
  • 一致検索の対象となる項目:「取引先ID」
  • 比較方法:「等しい」
  • 基準シートのキーとなる列:「取引先ID」
  • キー値の対象範囲:「シート内全てのレコードの値」

(※シート内で選択された取引先だけでなく、シート内のすべての取引先レコードに関連している商談を表示したいので、「シート内全てのレコードの値」を選択します。)
入力後、作成をクリックします。

※カスタム連動シートについては以下リンクをご参照ください
https://www.mashmatrix.co.jp/blog/20200528-custom-related-sheet/

  1. すると以下のように取引先シート内の取引先に関連したすべての商談が表示されるシートが作成されました。(下画像参照)

2.取引先シートに数式列を追加する。

<ここがPOINT>

今回は取引先ごとの商談数(=取引先IDが一致する商談の数)を数えたいので、「COUNTIFS」数式を用います。

  1. まず取引先シートに数式列を追加します。
    ▶︎列ヘッダメニュー > 列を追加 > 数式列 
  1. 列のラベル名などを入力し、数式エディタを開きます。
  • 表示ラベル:「商談数」
  • データ型:「数値」

を選択し、数式エディタボタン(下画像赤矢印) をクリックします。

  1. 数式エディタが表示されるので、「関数」タブを選択します。
  2. 「関数」タブを開いたら、「COUNTIFS」関数を選択し、  挿入ボタンをクリックします。
  1. すると下画像のような数式が入力されます。(※「COUNTIFS」関数についてはこちらをご覧ください。)

ここでは、商談シートの「取引先ID」と、取引先シートの「取引先ID」が一致している数を表示したいので、以下のように入力します。

  • match_colom1に、商談シートの「取引先ID」列を指定します。
    ▶︎「列」タブを開き、シートを「商談シート」、列に「取引先ID」、「全ての行」にチェックを入れ、挿入をクリック

    すると、緑線部分に [s2] .[#AccountId] と入力されました。
  • 次に、match_condition1に取引先シートの取引先ID列を指定します。(下画像参照)
    ▶︎シートを「取引先」に変更、列に「取引先ID」、「現在の行」にチェックを入れ、挿入をクリック

    すると、緑線部分に[@Id] と入力されました。

以上で数式が完成したので、検証ボタンをクリックし数式が有効かどうかを確かめます。有効と表示されたら、「適用」をクリックし、続けて列を「追加」します。

3. 確認する

「商談数」列が追加されました。取引先ごとの商談数が表示されているのが確認できました。(下画像赤枠)

今回は集計列の機能や設定方法、ユースケースについてご紹介させていただきました。表示しているシート以外にも、他のシートの集計値も数式として利用できるとても優れた機能です。この記事で数式の設定方法をご確認いただき、ぜひ業務に活用してみてください!

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