Mashmatrix Sheet 21.0より、シート内に数式列を追加可能に
2020年11月29日に Mashmatrix Sheet 21.0 がリリースされ、シート内で数式(計算式)を記述して計算した結果を表示する数式列をシートに追加できるようになりました。シート内に追加できる数式列の数式はSalesforceの数式と同じ構文で記述でき、 関数のほとんどを利用できます。(サポートされている関数はユーザガイドをご参照ください)
なお本機能は、レコードの更新保存前でも自動的に再計算されて値が更新されるのが特徴です(リアルタイム計算)。また、通常の項目列と同じように数式列の集計表示も可能です。
本記事では実際にシート内数式列の追加方法をご説明しながら、本機能の特徴や注意ポイントもご紹介させていただきます。本機能への理解度を高めていただけたら幸いです。
【関連記事】「シート内データ列 / 数式列」については以下の記事もご参照ください。
・Salesforceの管理者権限なしで自分だけの項目列を作ろう! 〜シート内データ列〜
・数式列が大幅強化!集計関数の利用方法とユースケースをご紹介 〜Mashmatrix Sheet 23.0〜
設定方法と数式の定義
今回は例として商談ごとの重要度を計算してそれに応じて色付けができるように『シート内数式列』を追加します。なお、列に設定する数式は以下のように定義するものとします。
- 取引先種別(Account.Type)がお客様で、金額(Amount)が10,000,000以上は『A』
- 取引先種別(Account.Type)がお客様で、金額(Amount)が 5,000,000から10,000,000 未満の場合は『B』
- 取引先種別(Account.Type)がお客様で、金額(Amount)が 5,000,000 未満の場合は『C』
- それ以外の場合は『D』
例えば、取引先種別がお客様ではなくパートナーの場合には金額に関わらず『D』となります。
そして今回はシート内数式列の値の変化が分かりやすいように、書式設定を組んでみます。では実際にやってみましょう!
シート内数式列を追加する
- まず商談シートを開き、列ヘッダメニューから、列を追加 > 「数式列」タブを開きます。
- 表示ラベルを入力し、データ型を選択します。
- 次に数式を以下のように入力します。
IF(
TEXT(Account.Type) = 'お客様',
IF(
Amount < 5000000,
'C',
IF(Amount < 10000000, 'B', 'A')
),
'D'
)
※数式内で項目を選択したい場合は下画像 A を、関数を選択したい場合は下画像 B をクリックし、入力してください。
- 「検証」ボタンをクリックし数式が有効と確認できたら、「追加」をクリックします。
- 数式列が追加されました(下画像参照)
なお、シート内数式列では シートに表示されているオブジェクトの項目を参照(参照関係をたどった親オブジェクトの項目も含む)できます。シート内に追加されていない項目でも利用可能です。(今回の場合「取引先 種別」項目は列としてシートに表示されていませんが、数式の中では参照できました。)
シート内数式列に書式設定を組むと下画像のようになります。
シート内数式列のリアルタイム計算を確認する
次に、シート内の「金額」列の値を変更(更新)してみます。
金額更新後の画像では、「金額」項目はまだ保存されていませんが、シート内数式列の値がリアルタイムに変更されているのがお分かりいただけるかと思います。(下画像参照)
金額更新前
金額更新後
注意点
なおシート内数式列をご利用いただく際の注意点は以下となります。
- シート内数式列に対するフィルタ・ソートも可能ですが、フィルタ・ソートは実際に取得したレコードに対してのみ適用されます(フィルタ前の対象レコード件数が「最大取得レコード数」よりも大きい場合、表示される結果は実際の結果よりも少なく表示されている場合があります。)
- カスタムラベル ($Label) や カスタム設定 ($Setup) などの利用には非対応です
- グローバル変数として 現在のユーザ($User)/組織($Organization)の属性情報を利用できます(サポートされている属性はユーザガイドを参照)
まとめ
今回はかゆいところに手が届く新機能『シート内数式列』についてご紹介させていただきました。「Salesforceのカスタム項目で数式を組むほどではないけど、一時的に数式を使えたら楽だな…♩』という際に便利に使っていただける機能です。ぜひ業務内でのSalesforce活用にお役立てください。